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[150226]
CATVブースタ ジャンクを、修理した
先日買った「双方向ブースタ(LWB-302)」のジャンクの信号出力の様子が変だったので、少し調べていた。
入力、出力信号端子の両方から、自励発振のような妙な電圧波形が出ていて、本来の微弱信号をちゃんと増幅出来るのかどうか疑わしかったのだ。
(分からなかったもんで、)一時は、これが本来の特性かな?などと思っていたのだが、実は電源回路で発生していたことが判明。
その対策(後述↓)をしたら、その異常波形は無くなって平常通りと思われる状態になった。つまり、故障が直ったわけだ。
で、その増幅作用を調べてみたが、どうも判然としない。
一応、最大6〜7倍(電圧比)の増幅は見たのだが、実は微小信号をオシロスコープで調べるのが難しいので、あまり精確ではない。
また、実機で調べたら、良質の増幅は、出来ていないらしい。...S/N比の改善は殆ど無くて、単に音量を上げただけのような感じ。
これで、ふっと、昔、先輩から諭された話、“S/N比を改善しない信号増幅は、意味が無い”を思い出した。
結局、この「ブースタ」は、面白そうだったけど、(簡単には)実用にはならないと分かった。残念!
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外部電源の注入
この「ブースタ」は、AC-100Vでも動作させられるし、信号ケーブルに外部からDC15Vを供給して働かせることも出来るそうだ。
取り敢えず、AC-100Vで働かせてみたのだが、シンクロ|オシロ・スコープで観ると、出力端子に、変な振動電圧が出て来る。(詳細は、下記↓)
そこで、外部から電圧可変の電源で約15V付近を供給して、様子をみた。(図4<クリック>)
その電圧を供給するのに、便利なように筐体カバーを外して行った。(図3)
電源電圧の変化
AC-100Vで動作させると、何と!出力端子に、変な信号波形?が、(利得調整など無関係に)見えるではないか!何だ?何だ?(図5)
[主周期:約500KHz、振幅:約300mVP-P、仮終端抵抗:約50Ω]
そこで、外部電圧を使い、電圧を少し下げて(約14.8V)みると、その変な振動電圧(信号?)は消えるのだ!(図6<クリック>)
...ふむ、これは、何処かの回路で、自励発振しているのかな?と思うような波形だ。
でも、500KHzとなるとかなりの低周波だから、普通なら、発振回路を余程きっちりと構成しないと、発振し難いはずだが。
そこで、原因を探るため、基板上を追っ掛けてみた。
異常発生箇所と対策
まず、空中の浮遊容量を介して発振が起きていないかどうかを、其処此処を“指で触って”調べた。
そんな発振だと、指を近付けるだけで、大きく影響を受けるはずだが、基板全体を探ったけど、何処にもそんな気配が無い。
次に、オシロ・スコープで回路を当たって行くと、どうも、+電源ラインから出ているらしい。
そこら中を、オシロのプローブで触りまくり、自励発振?の原因を追っ掛けて行ったら、レギュレータICの出力端子が一番怪しいことが分かった。(図7)
そこで、パチン!と閃いた!
大体、「レギュレータIC」には、高倍率の増幅回路が入っているので、定数などが少しでも狂うと発振の可能性があるし、以前自作した低電圧回路でそんな事があったぞ!
それに、平滑用の電解コンの“容量抜け”があると、“妙な発振”を起こす場合もある。
そこまで考えて、電解コンデンサ100μF、25Vを、付け足してみた。(図8<クリック>)
・・・ それで、異常波形は、完全に消せた!
(実は、基板に付けてある電解コンを差し替える方が“筋”だと思うが、ビスが多くて基板を外すのが億劫だったので、この簡便法にした)
増幅は可能か?
適当にSWやVRをセットし、「利得調整(GC)」を中途半端な位置にセットした状態で、最大増幅(約7倍)が見た。(図9)
条件は、入力信号120MHz、90〜110dBμ。(図10<クリック>)
「70〜770MHz 定格利得25dB」とあるから、少なくとも電圧比10倍以上はあるはずなんだが。
(実は、「ブースタ」の最大許容入力はおよそ60dBμらしいのだが、あまり小さいとオシロで見るのが難しいので、少し大きい目の入力を使った。でも、この調べ方だと入力が大き過ぎて、出力が“飽和”しているのかもしれない)
この「ブースタ」で実際の信号を増幅してみると、信号は多少大きくはなるが、同時にノイズ(雑音)も増幅するようなので、S/N(信号雑音比)はそれほど向上していない。
だから、単純に親機の音量のボリュームを上げるのと同じで、確かに音量は大きくなるのだが、雑音も大きくなる。
主信号だけがすっきり抜けて大きく聞こえるわけではなさそうだ。
やはり、S/N比を上げない限り、闇雲に「ブースタ(増幅器)」を入れても、効果は無いってことのようだ。(とほほ!)
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